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「こども本の森」図書室(仮称)2025年夏頃オープン

坂の上の雲ミュージアムの設計者である建築家の安藤忠雄氏は「未来を担うこどもたちに本に親しんでもらいたい」という強い思いから、子ども向けの図書室「こども本の森」を建設し、大阪市、神戸市、遠野市など各地に寄付されています。

そのような中、松山市にも安藤氏から坂の上の雲ミュージアムに「こども本の森」図書室(仮称)を整備し、寄付をしたい」という提案があり、安藤忠雄建築研究所と協定を締結し、整備に向けて準備を行っています。

概要

  • 「図書室」としてミュージアム2階部分に増築。
  • ミュージアムの前庭に建設し、本館とブリッジでつなぐ構造。
  • 鉄筋コンクリート造 地上2階(1階部分は支柱のみ)。建築面積・延床面積は約130㎡予定。
  • 小中学生を中心に全世代が対象。収容人数は50名程度。入室無料。
  • 書籍数はおよそ4,000〜5,000冊を想定。貸出は行わず、滞在して本に親しむことを目的とする。

松山市ホームページ(報道資料)

「こども本の森」図書室(仮称)の整備に係る協定締結式
「こども本の森」図書室(仮称)のイメージ図とコンセプト発表

イメージ図

「こども本の森」図書室(仮称) 「こども本の森」図書室(仮称) 「こども本の森」図書室(仮称)

提供:安藤忠雄建築研究所

建築コンセプト

「こども本の森」の基本コンセプトは「こどもが自由に本と出会い、本を楽しみ、本に学べる場所」というものです。そのイメージを、坂の上の雲ミュージアムの敷地内というユニークな立地特性を生かし、空間として表現することを目標に設計しました。

つくる場所は西側の水と緑の庭の上空。外装は上広がりに傾斜するガラス壁で、ミュージアムのデザインコードを踏襲しつつ、その外形はミュージアムの三角形に対し、楕円型となっています。この形のコントラストが、「坂の上の雲のまちづくり」の新たなランドマークを形成します。

ピロティ形式として建物を宙に浮かせているのは、「ことも本の森」の主階レベルを、ミュージアム2階のライブラリーラウンジに合わせているためです。 楕円形のワンルーム閲覧室は、 それ自体、こどもたちがどこでどのように本を読んでもいい、自由な空間ですが、それをミュージアムのパブリックスペースと接続させることで、「自由」はさらに広がります。

地域の文化の中心となるべき施設のまんなかでこどものための「こども本の森」が胎動する。その情景はきっと、坂の上の雲フィールドミュージアム構想の精神を象徴する、新たなまちの力となることでしょう。

安藤忠雄建築研究所

運営コンセプト

〜過去を学び、今を考え、未来を切り開くために〜

こどもたちがいろんな本と出会い、本を楽しみ、本から新しい発見をしてほしい。本を読むことで、たくさんのことを知り、自分が何をしたいのかを考え、未来への夢や希望、想像をふくらませてほしい。そして、『坂の上の雲』の主人公たちのように、迷ったり悩んだりしながら、いろいろなことにチャレンジして、「なりたい自分」を見つけてほしい。

こどもたちが自分だけの物語を紡ぐきっかけになるように。
いつまでも変わらずにある、こどもたちの「お気に入りの場所」になるように。
そんな願いを込めて、坂の上の雲ミュージアムに「こども本の森」図書室(仮称)をオープンします。

1.ミュージアムと一緒に

「こども本の森」は坂の上の雲ミュージアムの中にあります。ミュージアムでは、小説『坂の上の雲』に描かれた日本のあゆみや人と人との交わりなどを、本物の資料を見て感じることができます。さらに、松山城や萬翠荘など、小説ゆかりの場所も近くにあります。作者の司馬遼太郎さんはたくさんの本を読んで、この長い物語を書き上げました。「こども本の森」で日本と世界の歴史や人物に興味を持ったら、ちょっと背伸びして、展示室をのぞいてみてください。

2.松山らしさを大切に

松山の歴史や文化にふれてもらい、「松山らしさ」を感じられる場所にします。有名な夏目漱石の『坊っちやん』は安藤忠雄さんが大好きな小説です。正岡子規からはじまり、時代を超えて広がった俳句やことば文化、松山ゆかりの作家や松山を題材にした作品など、ふるさとの魅力がたっぷり詰まった本も手に取ってもらいたいと思います。「こども本の森」をきっかけに、 もっともっと松山を好きになってもらえたら嬉しいです。

3.未来へつながる体験を

自由な空間と場所を活かして、こどもたちが楽しめる企画を行います。松山市の中心部にある 坂の上の雲ミュージアムは、まちづくりの拠点施設でもあります。こどもも、親子も、松山に 住んでいない人も、まちを歩きながら遊びに来てください。「こども本の森」がこどもたちのこども、ずっと先の未来まで長く愛される「お気に入りの場所」になるよう、みんなで育てていきたいと思います。