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坂の上の雲ミュージアムの役割

 坂の上の雲ミュージアムは、松山のまち全体をフィールドミュージアムとする構想の一角を担う施設として創設された。その主要な目的は、松山をより魅力的なまちにする諸活動の中核的な役割をはたすことにある。より魅力的なまちとは、住み心地がよく、さまざまな発見を楽しめるところを意味する。豊かな水と緑にいろどられたまちなかをゆったりと散策でき、ゆっくりとくつろいだ至福の時間を満喫できれば、まちの魅力はさらに増すだろう。

 このミュージアムの基本理念は、司馬遼太郎の長大な作品『坂の上の雲』にもとづくものである。『坂の上の雲』において、司馬は正岡子規、秋山好古、真之の松山出身の三人の主人公を中心としながら、日本における近代国家の形成をおおきな時代の流れのなかでえがいた。坂の上の雲ミュージアムにおいては、司馬作品のメッセージに耳をかたむけると同時に、過去から現在、未来に至る時の流れについてそれぞれの立場から思索を深める場としての機能をはたすことが期待されている。

 坂の上の雲ミュージアムにおおくの人びとがつどい、過去から未来へむかう時の流れについて思索を深め、それぞれが立脚する場をよりよいものとする活動に直結する循環運動が生成すれば、ミュージアム創設の目的はほぼ達成されることになるだろう。よいかたちの循環運動がはじまり、松山のまちがより魅力的な相貌(そうぼう)をそなえる方向にすすむことを望んでいる。

坂の上の雲ミュージアム館長
松原正毅